「ばあちゃん、ごめんな」

たなか

2014年10月09日 14:20



「ばあちゃん、ごめんな」

ネコは死期を悟ると飼い主に自分の惨めな姿を見られたくなく、どこかに人知れず去っていく習性があります。 
いったいどこに行くのでしょうか。

九州に住むネコ達は熊本県阿蘇にある根子岳(ねこだけ)に行くのだそうです。 根子岳はとても険しい山で、ギザギザに切り立った岩山が立ち入ろうとする者を拒みます。 しかし狭い崖ぎわにある小道をすり抜けたり、岩から岩へ飛び移って行けるネコだけがたどり着ける楽園があり、そこでネコは安らかな眠りにつくのだそうです。 
ネコだけが行くことを許される天国、根子岳。

幼いころ、魚の行商をしているおばあちゃんに拾われたゴンちゃん、とても可愛がられて育ちました。 いつもおばあちゃんに甘えてベタベタと付きまとい、わがままし放題、食べ物の好き嫌いし放題。 しかしそういった食生活が悪かったのか、のちに悪性の病に侵されてしまいました。 ある日、本能で残りの命が少ないことを知ったゴンちゃん、迷いに迷ったあげく、おばあちゃんが買い物に出た隙にひっそり一人で旅立つことを決意しました。

「ばあちゃん、俺のことを探すかな?」

「何年か前、近所で3日間遊びほうけて帰ったら、大泣きで喜んでくれたもんな、あんときはさすがに悪いことしたと思った」

「ばあちゃんにもう一回会いたいな、行くのは明日にしようかな」

と、後ろを振り返りました。

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